証拠シート

レチノールは濃いほうがいいのか

この記事が根拠にした論文を、1本ずつ表にしたものです。何が測られ、どの濃度で試され、どんな副作用が報告されたか。数字はすべて、実際に PubMed で開いたアブストラクトに書いてあったものだけです。

★ 「副作用の記載なし」は、「副作用がなかった」ではありません。

この 8 本のうち 6 本は、副作用について一言も書いていません。書いていないだけです。起きなかったとは、どこにも書かれていません。副作用が実際に報告されていたのは 2 本です。

この2つを混ぜないために、うちは機械(site/verify.mjs)で検査しています。台帳に「なし」とだけ書くと、サイトが公開されません。

論文何を測ったか試験で使われた濃度報告された副作用期間
Evidence for the Efficacy of Over-the-counter Vitamin A Cosmetic Products in the Improvement of Facial Skin Aging: A Systematic Review The Journal of clinical and aesthetic dermatology 2021 ・ PMID 34980969 ・ 資金提供なし システマティックレビューのため、統合した各試験が何を測ったかは要旨に記載なし。要旨が述べているのは『9件のランダム化・二重盲検・基剤対照試験のうち4件はレチノールと基剤の間に統計学的有意差を報告しなかった。残る5件は細かい表情ジワにのみ軽度の改善という弱い根拠を示すが、重大な方法論的欠陥がある』という評価のみ 記載なし 記載なし 記載なし
Multifaceted amelioration of cutaneous photoageing by (0.3%) retinol International journal of cosmetic science 2022 ・ PMID 35778881 ・ メーカー資金 組織(生検)。前腕に閉鎖塗布し12日後に3mmの皮膚生検を採取。表皮の厚み、フィラグリンとKPRPの発現、ケラチノサイトの増殖、E-カドヘリン、フィブリリン豊富微細線維の沈着を評価。機器測定でも医師の見た目評価でもない。加えて在宅使用試験では被験者本人が忍容性を記録 0.1% / 0.3% / 1%(+基剤対照)。在宅使用試験は 0.3% と 1% のみ 在宅使用試験で『0.3%レチノールは1%レチノールより忍容性が良好で、報告された有害事象はより少なく軽度だった(χ2(1)=23.97; p<0.001)』。有害事象の種類・人数は要旨に記載なし。パッチ試験については『局所の炎症の所見は検出されなかった』と記載 パッチ試験12日間 / 在宅使用試験6週間
Improvement of photoaged facial skin in middle-aged Japanese females by topical retinol (vitamin A alcohol): a vehicle-controlled, double-blind study The Journal of dermatological treatment 2009 ・ PMID 20078381 ・ 資金源が確認できない 見た目の評価(photoaging improvement の率。細かいシワと深いシワ)。評価者が医師か本人かは要旨に明記なし 0.075% と 0.04% 『57人のうち3人が刺激(irritation)のため試験を脱落した』と明記。0.04%クリームの試験については『刺激はごくわずか(minimal irritation)』と記載 0.075%クリームは26週間 / 0.04%クリームは13週間
A Randomized, Double-blind, Split-face Study Comparing the Efficacy and Tolerability of Three Retinol-based Products vs. Three Tretinoin-based Products in Subjects With Moderate to Severe Facial Photodamage Journal of drugs in dermatology : JDD 2015 ・ PMID 25607905 ・ 資金源が確認できない 見た目の評価(有効性と忍容性の臨床評価+標準化デジタル写真。全体の光老化、細かいシワ、粗いシワ、肌の明るさ、まだらな色素沈着、触感の粗さ) レチノール 0.25% / 0.5% / 1.0%(対照はトレチノイン 0.025% / 0.05% / 0.1%) ★方法欄に『忍容性(tolerability)の臨床評価を行った』と書いてあるが、その結果は要旨に一切書かれていない。有害事象の種類・件数・人数の記載なし。『副作用がなかった』とは書いていない 12週間
Cosmetic retinoid use in photoaged skin: A review of the compounds, their use and mechanisms of action International journal of cosmetic science 2025 ・ PMID 39128883 ・ メーカー資金 該当なし(ナラティブレビュー。一次データなし) 記載なし ★『レチノール、レチニルエステル、レチナールデヒドは有効で安全、忍容性が良い(efficacious, safe and well-tolerated)』と著者は述べている。ただしこれは総説の総括であって、この論文が観察・集計した有害事象の報告ではない。件数・人数なし 該当なし
A Comprehensive Review of the Strategies to Reduce Retinoid-Induced Skin Irritation in Topical Formulation Dermatology research and practice 2024 ・ PMID 39184919 ・ 資金源が確認できない 該当なし(21本の文献のナラティブレビュー) 記載なし 『レチノイドを皮膚に使うことにさまざまな副作用があることは否定できず、その1つが刺激(irritation)である』と記載。この論文自体が「刺激をどう減らすか」の製剤技術レビュー。件数・人数の記載なし 該当なし
A Clinical Anti-Ageing Comparative Study of 0.3 and 0.5% Retinol Serums: A Clinically Controlled Trial Skin pharmacology and physiology 2020 ・ PMID 32428912 ・ 独立資金 機械の測定値と見た目の評価の両方。multi probe adapter と Fotomedicus 撮像システム、PRIMOS(皮膚表面の粗さ)による測定に加え、3名の独立した専門家によるVAS(視覚アナログスケール)評価 0.3% と 0.5%(先行して基剤のみ〈液晶製剤〉の試験を実施) 『有害事象は主に軽度または中等度の皮膚の刺激(skin irritation)だった。より頻繁で、より強い症状が左側(0.5%)で観察された』と記載。人数・件数の記載なし 12週間(先行する基剤のみの試験は8週間)
Randomized parallel control trial checking the efficacy and impact of two concentrations of retinol in the original formula on the aging skin condition: Pilot study Journal of cosmetic dermatology 2020 ・ PMID 31222977 ・ 独立資金 見た目の評価(盲検下での専門家による画像評価)。忍容性は試験期間を通じて評価 0.15% と 0.3% 『8週間の試験期間中の副作用(灼熱感、乾燥、そう痒、紅斑)は軽微(minimal)であった』と記載。人数・件数の記載なし 8週間(2か月)

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