ビタミンC
解説は書いていません。私たちが論文をどこまで辿れたかを、効果 / 副作用 / 使い方の3つに分けて、そのまま並べています。
「出典が見つからなかった」は「効かない」ではありません。調べたけれど確かめられなかった、という意味です。
成分のランキング: 7 位(5 点)
★ この順位は、論文が決めたものではありません。私たちが決めた重みで計算したものです。重みは 成分ごとの証拠 のページに全部書いてあります。
そして、順位は「効く順」ではありません。「調べられている順」です。
効果8 件
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ビタミンC誘導体は皮膚の中でビタミンCに変換される
試験管・培養細胞だけ
変換を示したデータは、摘出したヒト皮膚(explant)とヒト再構築表皮モデルの実験で、ヒト被験者の試験ではない。しかもその研究は、その成分を使う化粧品企業の資金で、著者全員が同社の所属
最もよく引用される経皮吸収研究(ブタ皮膚)は、逆に「リン酸アスコルビルMg、アスコルビル-6-パルミテート、デヒドロアスコルビン酸を塗っても皮膚のL-アスコルビン酸レベルは上がらなかった」と報告している。肯定側も否定側も、ヒト生体内のデータで決着していない
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ピュアなビタミンC(L-アスコルビン酸)は光老化・シワに効く
ヒト試験まで辿れた
二重盲検・基剤対照の左右比較試験が複数ある。3か月の試験(解析可能19人)で、皮膚表面のなめらかさの改善がビタミンC側優位73.7%、患者アンケートで84.2%。12週の半顔試験(10人)で光老化スコアが有意に改善し(頬 p=0.006、口周り p=0.01)、生検でI型コラーゲンmRNAの増加も確認された。システマティックレビューにもまとめられている
そのシステマティックレビューは7試験・合計139人しかなく、著者自身が「至適濃度の確立にはさらなる研究が必要」と結論している。被験者はFitzpatrick I〜III(白人中心)で、日本人にそのまま当てはめられない
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ビタミンCは濃度が高いほど効く(20%が最強)
出典はあるが、その論文はそう言っていない
「経皮吸収が最大になる濃度は20%で、それ以上上げても増えない」という出典は、ブタ皮膚での経皮吸収試験。「20%が10%よりシワに効く」ことを示した比較試験は見つからなかった
利益相反のない総説は「8%未満では生物学的意義に乏しく、20%を超える濃度は生物学的意義を増やさず、むしろ刺激を起こしうる」と述べている。吸収と効果は別の話。濃度別に刺激を比べたRCTも見つからなかった
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ピュアビタミンCはpH3.5未満でないと肌に入らない
動物実験だけ
出典はブタ皮膚の経皮吸収試験。イオン型から非イオン型への転換が必要で、pH3.5未満でなければ皮膚に入らないと報告されている。同じ試験で、3日連続塗布で組織内濃度は飽和し、組織からの消失半減期は約4日だった
ヒト生体内での再現は確認できなかった
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リン酸アスコルビルMg(MAP)はシミを薄くする
ヒト試験まで辿れた
1996年の日本の研究で、10%MAPクリームを塗ったところ、肝斑または老人性色素斑の患者34人中19人で有意な明色化が見られた(正常皮膚では25人中3人)
この試験には対照群も盲検もなく、「34人中19人」はプラセボと比較した数字ではない。1996年のこの試験以降、これを二重盲検RCTで再現した報告は見つからなかった。臨床根拠の主柱は、いまもこの1本のまま。★ 2026-07-14: ここには「◯年間」という経過年数を書いていたが、削除した。その年数は論文に書かれておらず、発行年から引き算して作った数字だった
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リン酸アスコルビルNa(SAP)はニキビに効く
ヒト試験まで辿れた
ランダム化・二重盲検・基剤対照試験(尋常性ざ瘡の患者50人・12週間)で、5%SAPローションは医師によるglobal assessment、被験者によるglobal assessment、皮疹数のすべてで基剤より統計学的に有意に改善した
適応はニキビであって、シワでもシミでもない。誘導体の中で、単剤・プラセボ対照のヒトRCTがはっきり存在するのはこれだけだった。数値(何%の皮疹減少か)は要旨に記載がない
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1.8%のアスコルビルグルコシド(AA2G)は15%のピュアビタミンCと同等
出典はあるが、その論文はそう言っていない
出典は、摘出したヒト皮膚と培養表皮モデルで抗酸化マーカー(MDA・SOD・カタラーゼ)を比べた試験。資金提供と全著者の所属は、その成分を使う化粧品企業(Pierre Fabre)
「試験管の抗酸化力が同等」であって「肌への効果が同等」ではない。この試験は臨床エンドポイント(シワ・色素沈着・ハリ)をゼロしか見ていない。AA2Gのシワ・シミに対するヒトRCTは見つからなかった
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VC-IP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)は油溶性だからよく浸透して効く
出典が見つからなかった
VC-IP単独のヒトRCTは見つからなかった。エビデンスとして引用される唯一の試験は、10%のピュアL-アスコルビン酸と7%のVC-IPを混ぜた合剤の二重盲検・半顔試験(n=10)で、VC-IPの寄与を切り分けられない
3-O-エチルアスコルビン酸の二重盲検プラセボ対照RCTも見つからなかった。APPSにはランダム化・単盲検・プラセボ対照の日本発の報告が1本あるが、要旨が非掲載で被験者数も濃度も確認できない
副作用3 件
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変色(黄ばんだ)ビタミンC美容液は肌に悪いので捨てるべき
出典が見つからなかった
酸化・変色したビタミンC製剤をヒトの肌に塗った臨床試験は見つからなかった。「黄色い=肌に悪い」「肌が染まる」という言説の出所を辿ると、化粧品ブランドのブログと個人ブログに行き着き、一次情報に辿り着けなかった
L-アスコルビン酸が光・熱・pH・溶存酸素・金属イオンで分解することは化学として確立しているので「効果は期待しにくい」とは言えるが、「害がある」は裏付けできない。冷蔵・遮光保管の効果を化粧品の実使用条件で検証した試験も見つからなかった
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ビタミンC美容液はヒリヒリする(刺激がある)
ヒト試験まで辿れた
3か月の二重盲検・基剤対照の左右比較試験(解析可能19人)は、方法欄に「本人の自己評価質問票で有害作用(灼熱感、刺すような感覚、発赤、落屑、乾燥、色調変化、かゆみ、発疹)を報告させた」と書いている。★ ところが、その結果は要旨に一切書かれていない。測ったのに、結果が出てこない
この論文は「副作用がなかった」とは書いていない。書いていないだけ。もう1本の12週の半顔試験(10人)は「炎症の所見が認められた患者はいなかった」と記載しているが、炎症はこの試験では有効性の評価項目としても挙がっており、有害事象の集計ではない。ビタミンCの刺激を人数で数えた試験は、今回見つからなかった
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ビタミンC誘導体はピュアビタミンCより刺激が少なく、肌にやさしい
出典が見つからなかった
誘導体とピュアビタミンCの刺激を直接比べた試験は見つからなかった。濃度別に刺激を比べた試験も見つからなかった。辿り着いたのは、利益相反のない総説にある一文(「20%を超える濃度は、いくらかの刺激を起こしうる」)だけで、そこには件数も人数も、出典となる試験の記載もない
一方、誘導体の側には、3-O-エチルアスコルビン酸を含む顔用アンチエイジング化粧品によるアレルギー性接触皮膚炎の症例報告が1本ある(全文が有料かつ要旨が非掲載のため、症例の詳細は確認できていない)。1例の症例報告なので、どれくらいの頻度で起きるのかは分からない。「誘導体のほうが刺激が強い」という意味でもない。どちらが刺激が少ないかを比べた試験が、そもそも無い
使い方3 件
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ビタミンCはビタミンE・フェルラ酸と組み合わせると強くなる
ヒト試験まで辿れた
15%L-アスコルビン酸+1%α-トコフェロール+0.5%フェルラ酸を4日間塗ってから紫外線を当てたヒト生体内の試験で、紅斑・サンバーン細胞・チミンダイマー・p53発現のすべてで有意な光防御が得られた
「光防御が8倍になる」という有名な数字の出所は、ブタ皮膚の試験。ヒトの試験は被験者数が要旨に明記されておらず、著者自身が「評価した患者数は比較的少数だった」と限界に記している。この配合はのちに市販製品の中核技術になっており、開発グループは当事者
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ビタミンCは朝に塗るべき
出典が見つからなかった
朝に塗る場合と夜に塗る場合を比べたヒト試験は見つからなかった。「朝がいい」の根拠として引かれる光防御の試験は、4日間塗ってから紫外線を当てたものであって、朝と夜を比べたものではない
「3日連続塗布で飽和、消失半減期は約4日」という薬物動態(ブタ)からは、タイミングの重要性は低いと推測できるだけ。断定はできない
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ビタミンC美容液は冷蔵庫で保管する
出典が見つからなかった
辿り着けたのは、光・熱・酸素・金属イオンでアスコルビン酸の分解が進む、という化学の知見まで。「家庭の冷蔵庫に入れたら効果が保たれた」という化粧品での実証試験には、辿り着けなかった
合理的な推論ではあるが、実証ではない。冷蔵と常温を比べて、肌の側で何かを測った試験は見つからなかった