レチノール
解説は書いていません。私たちが論文をどこまで辿れたかを、効果 / 副作用 / 使い方の3つに分けて、そのまま並べています。
「出典が見つからなかった」は「効かない」ではありません。調べたけれど確かめられなかった、という意味です。
成分のランキング: 2 位(7 点)
★ この順位は、論文が決めたものではありません。私たちが決めた重みで計算したものです。重みは 成分ごとの証拠 のページに全部書いてあります。
そして、順位は「効く順」ではありません。「調べられている順」です。
効果3 件
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市販のレチノール化粧品はシワに効く
企業資金の試験だけ
ランダム化・二重盲検・基剤対照という条件を満たす試験だけを集めたシステマティックレビューでは、該当する試験は9件しかなく、うち4件は基剤と有意差がなかった。9件中8件は試験製品メーカーの資金による。著者の結論は「市販レチノール化粧品の使用を支持する信頼に足る根拠は、あるとしてもごくわずかである」
日本人女性57人の基剤対照・二重盲検試験では、0.075%・26週間で細かいシワの改善率がレチノール側50%・基剤側24%だった(資金提供元はPubMedに記載がなく確認できていない)。「根拠が弱い」ことと「効果が否定された」ことは別
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レチノールは濃度が高いほど効く
企業資金の試験だけ
化粧品企業の資金による試験(在宅使用 n=218・6週)では、表皮の厚みなど組織の指標は濃度依存的に増えた(42.3μm → 0.3%で92.7μm → 1%で122.3μm)一方、忍容性は濃度依存的に悪化し、中止者は0.3%群4名に対し1%群23名だった(忍容性の差は p<0.001)。システマティックレビューでは、0.5%の試験が基剤と差がなく、0.1%の試験は改善を示している
組織学的な変化は「シワが減った」という意味ではない。シワの見た目の改善が濃度に比例することを示した試験は見つからなかった
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レチノールはトレチノイン(処方薬)と同じように効く
ヒト試験まで辿れた
ランダム化・二重盲検の split-face 試験(完了65人・12週)で、レチノールをトレチノインの10倍の濃度(0.25% vs 0.025%、0.5% vs 0.05%、1.0% vs 0.1%)に設定して顔の左右で比べたところ、効果に有意差はなかった
「同等」と言えるのは、レチノールが10倍の濃度のときの話。この試験は資金提供元がPubMedに記載されておらず確認できていない。トレチノインは日本ではシワ治療薬として未承認で、医師の管理下で使うもの
副作用2 件
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レチノールは皮むけ・赤み・ヒリつきが出る
ヒト試験まで辿れた
独立資金の左右比較試験2本が、有害事象を報告している。0.3%と0.5%を顔の左右で比べた試験(ボランティア37人・12週間)は「有害事象は主に軽度または中等度の皮膚の刺激だった。より頻繁で、より強い症状が0.5%側で観察された」と記載。0.15%と0.3%を比べた試験(2施設で計40人・8週間)は「8週間の試験期間中の副作用(灼熱感、乾燥、そう痒、紅斑)は軽微であった」と記載。日本人女性57人の基剤対照試験では、57人のうち3人が刺激のため脱落している
3本とも、有害事象の人数・件数の内訳を書いていない。人数まで分かるのは、脱落した3人だけ。レチノールの論文8本のうち、有害事象について何か書いているのは6本あるが、どれも「軽度」「軽微」という言葉で終わっている。「軽微」が誰にとって軽微なのかは、書かれていない
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レチノールは濃度が高いほど副作用が増える
ヒト試験まで辿れた
化粧品企業の資金による在宅使用の忍容性試験(35〜70歳の女性218人・6週間)で、肌の反応が「なし、または軽度」で済んだ人は 0.3%群 88.7%、1%群 62.1% だった(p<0.001)。忍容性が悪くて使用を中止した人は、0.3%群 4名に対し 1%群 23名。独立資金の左右比較試験(37人・12週間)でも、刺激症状は 0.5% 側のほうが頻度も強さも上だった
どちらの試験も、有害事象の種類ごとの人数を書いていない。企業資金の試験は、同じ論文で「表皮の厚みは濃度に比例して増えた」とも報告している。組織が厚くなることと、シワの見た目が改善することは別。0.3% を超える濃度を選ぶ理由を臨床データから導けなかった、というのが記事の結論
使い方6 件
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レチノールは週2回から始めて、少しずつ慣らしていく
出典が見つからなかった
使用頻度(毎晩 vs 隔日 vs 週2回)を比較したRCTは見つからなかった。確認できたのは、ある企業資金の試験で「週2回から始めて段階的に毎晩へ増やす」漸増プロトコルが実際に運用された、という事実だけ
「実際に使われた手順」であって、「漸増が優れている」ことを示した比較試験ではない。開始濃度を比較したRCTも見つからなかった
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バッファリング(保湿剤に混ぜて薄める)でレチノールの刺激を減らせる
出典が見つからなかった
検証した試験は見つからなかった。刺激低減策を集めたレビューが扱っているのは、カプセル化・ナノ粒子化・キャリアへの結合といった製剤側の工夫と、抗刺激成分の添加であり、「使用者側の行動」(薄める・間隔を空ける・一時中断する)は対象に含まれていない
赤みが出たときの対処(休薬期間の長さ、減量の仕方)を検証した試験も見つからなかった
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レチノールはビタミンC・AHA・BHA・過酸化ベンゾイルと併用してはいけない
出典が見つからなかった
「併用してはいけない」と示した臨床試験は見つからなかった。検索して出てくるのは化粧品ブランドのページとまとめサイトばかりで、一次情報に辿り着けなかった
「併用してよい」と証明されたわけでもない。定番の「併用NGリスト」に、確認できる臨床試験の裏付けが無かった、という記録
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レチノールは夜だけ塗る
出典が見つからなかった
確認できたレチノールの臨床試験は、いずれも夜に塗るプロトコルだった。0.3%と0.5%を顔の左右で比べた試験(37人・12週)は毎晩、日本人女性57人の試験(0.075%・26週)も毎晩
朝に塗った場合と夜に塗った場合を比べた試験は、材料の範囲では確認できなかった。試験がそう運用されたという記録であって、夜のほうが良いことを検証したものではない
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レチノールの効き目は、1〜2か月で判断できる
出典が見つからなかった
有意差が出た試験の期間は8〜52週で、多くは12〜26週だった。0.04%を13週使ったプロトコルでは細かいシワの改善が乏しく、0.075%を26週使った日本人女性57人の試験では、細かいシワの改善がレチノール側50%・基剤側24%、深いシワが28%・2%だった
「何週の時点で判断すべきか」を比べた試験は、材料の範囲では確認できなかった。上の数字は、試験がその期間で差を検出したという記録
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レチノールを使うときは、日焼け止めを併用する
出典が見つからなかった
0.3%と0.5%を顔の左右で比べた試験(37人・12週)では、参加者全員にSPF50+の日焼け止めの使用が必須条件として組み込まれていた。研究者が試験の条件として組み込んだ、数少ない使い方の作法
レチノールを使いながら日焼け止めを併用した群と、しなかった群を比べた試験は、材料の範囲では確認できなかった。試験がそう運用されたという記録。日焼け止めそのものの根拠は、日焼け止めの記事で別に扱っている