「なんとなく良さそう」で選ぶのを、やめるためのブログです。
レチノール、コラーゲン、日焼け止め。よく聞く美容の話を、雑誌やSNSではなく学術論文まで辿って確かめます。数字はそのまま出します。そして、「ここまでは言えません」も正直に書きます。
記事
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「化粧水は3回重ねづけ」——その「3回」を確かめた試験を探して、見つかりませんでした
「3回重ねづけると良い」を確かめた試験は、探した範囲では見つかりませんでした
「化粧水を一度に3回重ねると良い」を、そのまま確かめた試験は、探した範囲では見つかりませんでした。回数を比べた研究も見当たりません。一番近い比較試験の要旨は「塗る順番はほとんど影響しない」「クリーム1品でも、とくに乾燥肌では良好な保湿だった」。反復塗布のデータは2日で頭打ちでした。「多段階ルーティンは良い」と出した試験は、著者9名全員が化粧品会社の社員で、その論文自身が「ルーティンを支持する根拠は乏しい」と冒頭に書いています。
4 本の論文を確認乾燥読む -
【誰が資金を出したか vol.4】
「飲む日焼け止め」を調べたら、「塗るものの代わりになる」と書いた論文が1本もありませんでした
「塗るものの代わりになる」と書いた論文は、売る側の研究にも1本もありませんでした
飲むタイプで測られているのは、ほぼすべて MED(肌が赤くなり始める紫外線の量)です。企業と無関係なデンマークの大学病院の試験でも29%上がり、効果はゼロではありません。ただし同じ試験で、DNAの傷は動きませんでした。そして論文の結論は、企業が資金を出した試験のものまで含めて、揃って「adjunct(塗るものの補助)」でした。日本の中核成分ニュートロックスサンの主要試験は、成分メーカーが資金を出し、試験の設計にも関与していました。
10 本の論文を確認日焼けシミ読む -
【誰が資金を出したか vol.3】
PDRN(サーモンDNA)の化粧品を調べたら、この分野の最初の第III相試験が「撤回済み」でした
ヒトで調べた試験は1本だけ。注射の第III相試験は撤回されていました
塗るPDRN化粧品のヒト試験は、探した範囲で1本だけ。31人・28日間・プラセボ対照なし。その論文は「利益相反なし・資金提供なし」と申告していますが、著者5人のうち3人が化粧品企業2社の所属です。そして注射(リジュラン)の第III相試験は2016年に撤回されていました。理由は「利益相反の開示の誤りと、資金提供元の誤った記載」でした。
8 本の論文を確認ハリシワ読む -
【出典をたどる vol.1】
「肌のターンオーバーは28日」——その28日を測った論文を、見つけられませんでした
「28日周期」を実測で裏付けた論文は、1本も見つかりませんでした
ターンオーバーを実際に測った研究が出した日数
よく言われる「28日」 0件Weinstein 1984(表皮全体) 39日Bergstresser & Taylor 1977 45日Iizuka 1994(同じデータの再計算) 47〜48日日(「28日」を実測した論文は、PubMed で見つかりませんでした)
「28日」の棒は、実測値ではなく「その数字を報告した論文が0件だった」ことを示しています(斜線)。実測値の出典: Weinstein 1984(39日)・Bergstresser & Taylor 1977(45日)・Iizuka 1994(同じデータの再計算で47〜48日) 「28日」を実測で裏付けた論文を探しました。検索は6件返しますが、6本ともラットの肺やウサギの硝子体で、皮膚の話ですらありません。実際に測った研究が出した数字は39日・45日・47〜48日。しかも同じデータを計算し直しただけで、39日が47〜48日に動いています。
6 本の論文を確認くすみ読む -
【数字の出どころ vol.1】
日焼け止めのSPF、結局いくつを選べばいいのか
効果が確かめられたのは「SPF15+」。足りないのは数字ではなく、量でした
日焼け止めは、基準の何割しか塗られていないのか
乳液タイプ 0.3下地クリーム 0.5スプレー 0.5ジェル 1.2単位: mg/cm²
SPFを測るときの基準量 2.0 mg/cm²。ここに届いて、はじめて表示どおりのSPFが出る
出典: Marume 2020(日本化粧品技術者会誌、日本人女性131人の実測) 毎日塗ることの効果は、903人を4.5年追ったランダム化比較試験で確認されています。ただし、その試験で使われたのはSPF15+でした。「SPF50でないとダメ」を裏付ける長期試験は見つかりません。一方、日本人女性が顔に塗る量は基準の約15%でした。伸ばすべきは数字ではなく、量です。
12 本の論文を確認日焼けシワシミ読む -
【誰が資金を出したか vol.1】
コラーゲンサプリの研究結果が割れている理由は、「誰がお金を出したか」だった
結果を分けていたのは、コラーゲンの種類ではなく「誰が資金を出したか」でした
「効果あり」と結論したメタアナリシスと、「臨床的根拠なし」と結論したメタアナリシスが両方あります。その2つを分けていたのは、コラーゲンの種類でも用量でもなく、その研究に誰が資金を出したかでした。
8 本の論文を確認シワハリ乾燥読む -
【出典をたどる vol.3】
「風呂上がり3分以内に保湿」の根拠を探したら、それを否定する試験が2本出てきました
「3分以内に保湿」の"3分"に、根拠は見つかりませんでした
3分ルールに臨床的な裏付けはありませんでした。直後に塗っても、30分後・90分後に塗っても、角層の水分量に差は出ていません。ただし「塗らない」だけは別で、入浴前より乾きます。分かれ目は速さではなく、塗るか塗らないかでした。
7 本の論文を確認乾燥敏感肌読む -
【数字の出どころ vol.2】
レチノールは濃いほうがいいのか
濃度を上げても見た目は変わらず、副作用だけがはっきり増えていました
肌に合わずに、使用をやめた人の数
0.3% を使った群 4人1% を使った群 23人218人が6週間、自宅でレチノールを使った試験
肌の反応が「なし、または軽度」で済んだ人は、0.3%群 88.7% に対して 1%群 62.1%(p<0.001)。出典: Mellody 2022(Int J Cosmet Sci、218人の在宅忍容性試験) 効果は濃度に比例せず頭打ちになる一方、副作用だけが濃度に比例して増えていました。0.3%と1%では、使用を中止した人が4人対23人。そして「週2回から始める」「バッファリング」に、臨床試験の裏付けは見つかりませんでした。
8 本の論文を確認シワ赤み敏感肌読む -
【数字の出どころ vol.3】
「誘導体は皮膚でビタミンCに変換される」——その大前提を確かめた研究は、ブタの皮膚でした
新しくて高機能とされる誘導体ほど、ヒトでの根拠が薄いという結果でした
この分野で最も引用される経皮吸収の研究は、ブタの皮膚を使ったもので、しかも「誘導体を塗っても皮膚のビタミンC濃度は上がらなかった」と書かれています。新しく高機能とされる誘導体ほど、根拠が薄いという逆転が起きています。
12 本の論文を確認シミくすみ読む -
【誰が資金を出したか vol.2】
「飲んだヒアルロン酸が肌に届く」の出典をたどったら、ラットの呼気にたどりついた
塗るほうは独立資金でも確認され、飲むほうは独立資金の試験が1本もありませんでした
同じ「ヒアルロン酸」。塗る・飲む・打つで、根拠の質が違う
- 打つ(注入) 資金提供のない独立したメタアナリシス(RCT 12件を同定、6件を統合)。水分量と輝きは有意、弾力とメラニン指数は有意差なし。ただし、医師が針で真皮にゲルを入れる医療行為です
- 塗る(化粧品) 大学の資金による二重盲検試験(インドネシア36人)を含む複数のヒト試験。角層の水分量は上がったが、TEWL でも本人が感じる乾燥の自覚でも差はつかなかった
- 飲む(サプリ) RCTは存在し、7本を束ねたメタアナリシスもある。ただし今回一次情報で確認できたRCTは、1本残らずメーカーの資金か社員による研究だった
- 「飲んだヒアルロン酸が肌に届く」 唯一の出典はラットの実験。ヒトで、飲んだヒアルロン酸が皮膚に到達したことを示したデータは、今回の調査では見つからなかった
並べ替えの根拠は「誰が確かめたか」です。打つ=独立資金のメタアナリシス(Zhou & Yu 2025)/塗る=大学資金の二重盲検RCT(Muhammad 2024)ほか/飲む=メタアナリシス(Amin 2025)はあるが、確認できたRCT(Oe 2017・Hsu 2021・Dolečková 2025)はすべてメーカーの資金か社員/「肌に届く」=ラット(Oe 2014)。上にあるものを勧めているのではありません。注入は医療行為で、化粧品やサプリとは別の判断です 塗るヒアルロン酸には、大学資金の二重盲検試験を含む根拠があります。一方、飲むほうは確認できた試験が1本残らずメーカー資金でした。「効かない証拠」ではなく、「独立した検証が存在しない」という状態です。
9 本の論文を確認乾燥ハリ読む -
【出典をたどる vol.2】
「肌断食」に根拠はあるのか
「肌断食」そのものを検証した臨床試験は、事実上ありませんでした
保湿をやめた肌が、もとに戻るまでの日数
17〜25歳(客観評価) 6日17〜25歳(自己評価) 10日15〜20歳(夏) 11日40〜55歳 戻らず日
出典: Maul 2020(分割顔パイロット試験)。40〜55歳群は21日間の観察期間内に有意な回復が見られなかった。ただし13人と小さな群です 肌断食を検証した臨床試験は、事実上存在しませんでした。理論的な支柱は1999年の「前腕」の研究1本きり。是非を裁定する代わりに、やめてよさそうなものと、やめてはいけないものを仕分けます。
6 本の論文を確認乾燥敏感肌読む -
【数字の出どころ vol.4】
「最先端」の成分は、ヒトで何本調べられているのか。8つ数えました
エクソソームのヒト比較試験は3件。3件とも、針で肌に穴を開けてから使っていました
同じ検索式で数えた、ヒトでのランダム化比較試験の本数
ヒアルロン酸 154レチノール 65セラミド 64ナイアシンアミド 48ビタミンC 46ヒト幹細胞培養液 6エクソソーム 3PDRN 2単位: 本(2026-07-14 実測)
★ これは成分の順位ではありません。「調べられた回数」であって「良さ」ではありません。本数が少ないことは、効果がないことの証拠にはなりません(分かるのは「まだ確かめられていない」まで)。逆に、本数が多いことも品質の保証ではありません——ヒアルロン酸の154本のうち最大の塊(71本)は、塗る化粧品ではなく注射・充填の試験です。検索式: "<成分名>"[tiab] AND skin[tiab] AND "randomized controlled trial"[pt](8成分とも同一。2026-07-14) PubMed で8つの成分に同じ検索式を当て、ヒトでのランダム化比較試験の本数を数えました。エクソソーム3件、PDRN 2件、ヒト幹細胞培養液6件、ヒアルロン酸154件。ただし、数え終わって残ったのは「本数では何も決まらない」という事実でした。エクソソームの3件は3件とも針か手術を伴い、ヒアルロン酸の154件の最大の塊は注射です。
10 本の論文を確認シワハリ読む -
エクソソーム化粧品は、ヒトで確かめられているのか
「塗るだけ」を対照群を置いて確かめたヒト試験は、探した範囲で見つかりませんでした
エクソソームを対照群を置いてヒトで調べた美容試験は、探した範囲では3本とも「針か手術で肌を傷つけたあと」に使うものでした。「塗るだけ」に最も近い1本は対照群がなく、著者に製品を売る会社の所属者が含まれます。よく引かれる厚労省の注意喚起は、化粧品ではなく医療機関向けの「試薬」が対象でした。効かないとは言えません。言えるのは「塗るだけの確かなデータが、まだ見つからない」までです。
7 本の論文を確認シワハリ読む -
【出典をたどる vol.4】
レチノールとビタミンCは、併用してはいけないのか
「同じ夜に使うな」を人の顔で試した臨床試験は、見つかりませんでした
「同じ夜に使うと片方が台無しになる」を人の顔で確かめた臨床試験を、11通り検索して探しましたが、見つかりませんでした。禁忌の根拠は臨床試験ではなく化学の理屈でした。一方、化学者は両者を1つの分子に結合させ、その結合体は単体より安定でした。
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「ミトコンドリアケア」は、ヒトで確かめられているのか
機序は本物。でも「塗って肌が変わった」の出典は、マウスと培養皿でした
「ミトコンドリアを回復させたらシワが戻った」で引かれる有名な研究は、マウスの遺伝子操作でした。クリームは使っていません。話題のウロリチンAの肌データは培養皿の細胞とマウスまで。唯一ヒトの塗布データがあるCoQ10も、その研究と総説を書いたのは製品メーカーの社員でした。健康な肌に塗って老化を測ったヒトの試験は、探した範囲では見つかりませんでした。効かないという意味ではありません。
8 本の論文を確認シワハリ読む
見つかりませんでした。
「見つからない」と書くのがこのブログの流儀なので、ここでも正直に書きます。
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記事の結論から、選び方の基準をつくりました
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「効く順」でも「人気順」でもありません。順位も点数もつけていません。記事が出した結論から「選び方の基準」をつくり、それに合う商品を、1mLあたりの価格が安い順に並べているだけです。これは判定ではなく、算数です。
基準が導けなかった記事には、商品を置いていません。10本のうち5本が、それです。
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日焼け止めのSPF、結局いくつを選べばいいのか
SPF値では選んでいません(効果が確かめられたのは SPF15+ で、「SPF50が必要」を裏付ける長期試験は見つかりませんでした)。選んだ基準は、顔と首に「指2本分」を毎日塗り切れること。750mL という容量と、毎日使い切れる価格です
麗白 ハトムギ UVミルキージェル 250ml×3個セット 1mLあたり 3.2 円 この基準に合う商品を、あと 2 点 -
「風呂上がり3分以内に保湿」の根拠を探したら、それを否定する試験が2本出てきました
入浴後に塗るものです。「3分以内」は気にしなくて構いません。試験で分かれ目になっていたのは速さではなく「塗るか塗らないか」でした。だから選んだ基準は、毎日続けられること。500mL という容量と、毎日使い切れる価格です
モイスチャーボディミルク フローラル 500ml 1mLあたり 1.2 円 この基準に合う商品を、あと 2 点 -
レチノールは濃いほうがいいのか
レチノールの濃度が「0.2%」と商品名に明示されています。記事の基準は0.1〜0.3%。高濃度を選ぶ理由が、臨床試験のデータからは出てきませんでした
The Ordinary R0.2 フェイスセラム(レチノール 0.2%)30ml 1mLあたり 51.3 円 この基準に合う商品を、あと 2 点 -
「誘導体は皮膚でビタミンCに変換される」——その大前提を確かめた研究は、ブタの皮膚でした
ピュアなL-アスコルビン酸で、濃度が15%と明示されています。記事の基準は10〜20%です。利益相反のない総説が、8%未満では意義に乏しく、20%を超えても意義は増えないと述べているためです。全成分表示を確認したところ、先頭がアスコルビン酸で、誘導体は入っていませんでした
モルバニー グロウピュアビタミンC 15% アンプル 15ml 1mLあたり 256.7 円 この基準に合う商品を、あと 2 点 -
「飲んだヒアルロン酸が肌に届く」の出典をたどったら、ラットの呼気にたどりついた
塗るタイプのもの。飲むタイプではありません。1000mL という容量で、毎日たっぷり使い切れる価格です
日本合成洗剤 ウインズ ヒアルロン酸 化粧水 詰替 1000ml 1mLあたり 0.5 円 この基準に合う商品を、あと 2 点




